それから二時間程やろうか。


玄関のベルがしつこく鳴ってて、
目を覚ました。


「っさいなぁ……。
 誰やねん」


悪態つきながらも、心の中では千夏やったらと考えてしまう。


好きで堪らないにも拘らず、いきなりメールで別れ言うたことを今でも取り消したい。


何度も電話が来てはメールも何通か届いたが、目を通すのが辛くて未開封のまま。


玄関のベルは、今でも鳴り続けている。


「はい?」


扉を開けると、知らんボーイッシュな女の子が仁王立ちしていた。


「おせーぞ、ごら!」


猛暑の中で待たされた相手は、相当苛立っているようやった。