・・・・・。

寒い。


寒い、寒い。

寒い、寒い、寒い。


寒い寒いさむいさむ・・・


「・・・寒いんだから、とっとと通してよ!!」


あたしは怒鳴りながら強行突破を試みる。

その途端に・・・


― バチバチバチっ!! ―


細い閃光が走った。


見えない糸に絡み取られたように全身が固まって停止する。


ぎゃ――――っ!!?

しかもなんかビリビリッて! 

ビリッて痺れたあーっ!


「「用の無いものは通させぬ」」


姿無き声が、空間に響き渡る。


耳の中に、直接放り込まれるような重なり合う声だ。


・・・またか! またそれかっ!


いったい何回繰り返せば気が済むのよ、そのセリフ!


あたしは門川の荘厳で巨大な正門を前に、自分の髪をイライラと掻き毟った。