「結菜…お願い。…ね?」



もう十分真っ赤っかであろう私の耳元に、そう、吐息混じりに囁いた。



「………!」



もう、ダメだ…



こんな、完全に"男"と化した彼に、かなうわけがない。



「……こと…」



「もう一回」



「…まことっ…ん…っ」



言い終わると同時に、重なる唇。



数秒後、静かに離れる。



「ありがと! これからは"誠"でよろしくっ」