突然、そんな要望をされた。
「…………………え?」
「うん、だからね、名前で呼んでほしいな~って」
「…………っ!」
一気に顔が熱くなるのがわかった。
そんな私を見て、笑みをうかべながらこちらに近づいて来る真田くん。
…なんか、瞳の奥にギラギラした何かが見える気が………
「……どうしたの?」
「んー、なんか、そんな気分なんだ」
会話をしている間にも、どんどん距離は縮まって、ついには壁際まで追い詰められてしまった。
「真田くん……?」
「"誠"って、呼んで?」
至近距離で、そんなこと言うなんて…反則だよ…
「…まこ…と……く、ん」
自分なりに頑張ったのに……
「"誠"がいいな」
笑顔で、訂正を求めた。