そっと唇に触れてみる。





そこには逸輝とのキスの感覚がまだ残っていて、現実なのがわかる。





「〜♪〜♪〜♪〜」




ーーービクッ‼





ケ、ケータイ⁈





慌ててケータイのディスプレイをみると莉麻から電話が。





「も、もしもし?」




『あ、瑠奈⁉今、何処にいるの?』




「い、今?南棟だけど……」




『もう、いつまで居るのよ‼あたし帰るわよ⁇』




「ぅえ⁉ち、ちょっと待ってよ‼今から行くからぁ〜!!!」




ヤバイ、莉麻の事かなり待たせてる‼





ホントに帰りそうだよあの子‼





あたしは慌てて南棟を後にした。





教室に戻って鞄を掴むと一目散に校門へと走る。





「あ、いたっ……‼」




「おっそーい、瑠奈‼」




「わぁー‼ごめんね、莉麻ー‼」




莉麻と学校をあとにしながら、何でこんなに遅かったのか聞かれる。