逸輝は耳元でそう言うと、あたしを見て微笑んで教室から出ていった。
ーーーバタン。
へなへなとその場に崩れる。
何が起きたのか分からない。
確か、歌えって言われてサビを歌った。
で、歌い終わって逸輝に微笑みかけた。
うんここまでは良いんだよ、問題はここから。
微笑んで……これで終わり‼
………って思って逸輝の方をみようとして振り返ったら、すぐ近くに逸輝がいて。
それでビックリして声を出そうとしたら、逸輝の顔が目の前にあって、唇に……。
「あたし、ホントにキスされた……?」
それに、逸輝は「ご褒美」って言ってた。
「あたしのファーストキス……」