「それに、みーんな言ってるじゃない。王子様〜って」
そう言うと何でか折角抜け出たのに、また逸輝に壁まで追い詰められてしまった。
「お前は名前で呼べって言ったよな⁇」
かなりご機嫌斜めな感じですね。
でも、さっきの仕返しができるチャンスかも‼
「確かに言われたけど、王子って呼ぶなとは言われてないもん‼」
ここぞとばかりにあたしはすっとぼける。
「それに、[いつでも]名前で呼べなんて言われてません‼」
いつでもを強調して言い切る。
ああ〜スッキリした!!!
満足感に浸っていたんだけど、逸輝はあたしよりも1枚上手だった。