渡された制服を受け取ると、逸輝はカーテンを閉めて出ていく。
それをボーッと眺めて、ゆっくりと体育着から制服に着替え始める。
制服に着替えて、体育着を畳んでいると。
「成宮さん、着替え終わったかしら」
「あ、はい。終わりました」
先生に返事をすると、カーテンを開けてくれる。
「家の人に連絡はしておいたから、気を付けて帰ってね」
「はい。ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げて保健室を出る。
保健室を出たところに逸輝があたしのスクバを持って待っていた。
「大丈夫か⁇」
「……うん」
「なら、帰るか」
そう言って歩き出す逸輝の後ろを付いていく。
………なんで逸輝はそんなに普通なんだろう。
あたし達って喧嘩したんだよね⁇
そんな事なんてまるで無かったかのように感じてしまう。