思い出した瞬間、ベッドを囲っていたカーテンの外から先生がやってきた。
「………まだかなり熱はあるみたいね。大丈夫⁇」
あたしの体温を測って、体温計を見ながら声を掛けてくれる。
「……あ、はい……大丈夫です……」
熱があるせいでボーッとしながらも答えると。
ーーガラガラ‼︎
「………あ、起きたんだ」
保健室に逸輝がやってきた。
「………な、なんで……ここに……」
驚いて、うまく声が出ない。
「……なんでって瑠奈の制服とスクバ預かってきたから」
逸輝はあたしのそばまで来ると制服を渡してくれる。
「……もう、帰るんだろ⁇」
「……うん」
……なんでそんな普通なの⁇
「なら、待ってるから着替えろよ」
「……え、でも……」
「そんな真っ赤な顔してるのに1人で帰れる訳ねえだろ」
『あたし一人でも大丈夫。』
そう言おうとしたのにそれを遮るように言われてしまう。
「送ってくから。そのまま薄着だと余計に悪化するから着替えろよ」
「…………分かった」