ーー逸輝sideーー
保健室に向かいながら横抱きにしてる瑠奈を見る。
……こいつ軽すぎだろ。
「……こんなんだったら、そりゃ倒れるわな」
……でも、俺のせいか、瑠奈をこんな風にしたのは。
瑠奈の身体はびっくりするほど熱い。
熱あったのに、体育で外に入れば倒れるよな。
それなのに、自分で自分の体調に気付かないって。
「……何で、そういうとこまで鈍感なんだよ」
保健室に着くも、保健の先生は不在。
「……なんだよ、居ねえじゃん」
とりあえず、瑠奈をベッドに寝かせるか。
1番奥のベッドに瑠奈を静かに降ろすと。
「……ん……」
「……瑠奈⁇」
身じろぐ瑠奈に声を掛けると。
ふさふさとびっしり生えてる睫毛が震え。
瑠奈が目を開ける。
「……はぇ………⁇いつきぃ…⁇」
熱で意識がハッキリしてないのか、呂律がまわってない。
「大丈夫か⁇」
「……ふぇ⁇」
瑠奈に聞いてみるも、コテンと首を傾げられる。
……可愛いな、おい。って、違うだろ⁉︎
「……とりあえず、暖かくして寝とけよ」
「……大丈夫だよ⁇…大丈夫だもん……」
「大丈夫じゃないから今こうなってるんだろ」
「…………ね、いつき……⁇」