泣くだけ泣いてスッキリしたあたし。
「………落ち着いたか⁇」
「………うん」
少し気まずい中、お礼を言って逸輝から離れる。
「………じゃあ、戻るか。あいつらも待ってるし」
「………あいつら⁇」
誰の事を言ってるのだろう⁇
「佐山達に決まってるだろ⁇連絡はついてるから行くぞ」
「え?連絡はついてるってココ《圏外》だよ⁇」
「さっきまで瑠奈が居たとこはな。ココは電波がギリギリ届くんだよ」
逸輝は「ホラ」と言ってあたしにケータイを見せてくれた。
それを覗き込んでみると、確かに微かに電波が立っていた。
「分かったか⁇早くしないと集合時間に間に合わなくなるし行くぞ」
そう言ってさっさと戻って行く逸輝を慌てて追いかける。
「え、ちょっと待ってよ〜逸輝‼…………キャッ!」
追いかけようとしてあたしは木の根っこにつまづいた。