恐る恐る振り返ってみるとそこには。
紛れもなく逸輝が居た。
「………はぁ。良かった………」
「………い、逸輝なんで……⁇」
だって、あたしが怒らせて引っ叩いて勝手に逃げてきたのに。
………探してくれたの⁇
「なんでって、瑠奈の事を探してたに決まってるだろ⁇」
「………え………」
「全く、何処まで全力で走ってるんだよお前は」
「う、ごめんなさい」
「………とにかく戻るぞ」
「………う、うん………」
来た道を戻っていってしまう逸輝について行く。
………ホントは謝りたいんだけどな。
少し進んだところで、突然逸輝は立ち止まった。
「逸輝⁇どうしたの⁇」
何かあったのかと不安になって聞いてみると。
「………あのさ、さっきはゴメンな」
突然謝られてしまう。
本当はあたしから謝りたかったんだけど。
「……ううん。謝るのはあたしの方だよ。ごめんなさい」