「何度も何度も♪投げ出そうとして〜♪」
「投げ出せなくて〜傷付いて♪」
「これ以上ないくらい〜♪涙流して〜」
「そんな日々があったから♪」
「だから大丈夫♪もう平気♪」
「どんな結果であろうと〜♪受け止めるから〜♪」
1番を全部歌い切ったあたし。
…………ふう。
自分が作ったのに、その通りに恋するなんてね。
2番の歌詞が暗めにしてあるから歌うのは辞めようかな。
きっとこの調子だと、あたし泣いちゃうと思うから。
そう考えて、頭を木の幹に付けて空を見上げると。
「…………瑠奈、居るのか………⁇」
1番会いたくて、会いたくない、今までずっと考えてた人の声が聞こえた。
………幻聴だよね⁇
そう思いながらも、もしかして本当なのかもしれない。
そんな思いもあるまま、返事をする。
「…………いつき………⁇」