その微かに聞こえた音の方に俺は向かっていた。
その聞こえた音が何なのかは分からないけど。
何故かその音の方に行けば、瑠奈に会えると思った。
「………♪……♪♪」
さっきよりも近づいているようだ。
その証拠にどんどんその音が大きくなっている。
………これは多分人の声。
それも、歌声。
………あいつ迷子になってるのに歌歌う余裕があるのかよ。
でも、絶対に瑠奈はこの先に居る。
「………だ……へい………♪」
随分と大きくなった声はすぐそこら辺で聞こえてきた。
…………と。
突然声がブツっと途切れてしまう。
………どうしたんだ⁇
辺りを見渡すとすぐ近くに大きな木が。
佐山が言うには大きな木の近くか下に居るって言ってたな。
この木の下に瑠奈は居る。
「…………瑠奈、居るのか………⁇」