「あーそうかよ、そういう事かよ」
ーーーダンッ!!!
逸輝はあたしが偶々触っていた岩に手を付いて逃げれないようにして来た。
「………何するのよ。どいてよ逸輝」
「………何⁇藤田にでも助けを呼びに行くのか⁇」
…………なんでまた藤田くんな訳⁇
意味わかんない。
「意味わかんないんだけどって……んっ」
………逸輝に無理矢理キスされた。
ーーパンッッ!!!
「………最っ低!!!逸輝なんか大っ嫌いよっっ!!!」
「……………」
「もう知らない!!!」
あたしはそう逸輝に吐き捨てて逃げた。
零れる涙を拭う事もしないで。
とにかく走る、逸輝から自分から逃げたくて。
なんであんなに逸輝が不機嫌だったのかなんて知らない。
こんなにも傷付くものなんだね。
好きな人に他の男の子が好きって勘違いされて言われるのって。