目の前で起きていることが理解できるはずもなく、私は必死に考えを巡させた。 (大人を呼ぶ? ………いや、それは絶対にだめだ。 じゃあ、どうしたら……) 美樹は既に気絶している。呼吸の音がするから、2人とも、心配はなさそうだ。 ―――私は地面に疼くまり、静かに涙を流した。