涙を堪えて隣を見ると、下を向いている亜姫が視界に入った。



表情は見えないけれど、



亜姫の、スカートを握っている手が、震えていた。



強く握りすぎて、手には血が滲んでいる。





「なぁに?亜姫。言い返せないの?


………美樹はね、亜姫も璃姫も大嫌いなのっ!!」








――――パシンッ










あ、と思った瞬間、美樹は亜姫の頬を叩いていた。





亜姫は、下を向いたまま、動かない。




そのスカートを握る手からは、血が垂れていた。