「「姫さま!おはようございます!」」




そういって90度に頭を下げたのは、私の唯一の友達である、蓮と真琴。





「からかわないで頂戴。」





「あははっ、わりぃわりぃ。まぁ、あながち間違ってないだろ?九条のお嬢様っ」






私、九条 璃姫は、九条家の令嬢である。

私は双子の姉で、妹の亜姫は帝葉学園という、いわゆる“お嬢様校”に通っている



頭は亜姫よりも良いが、“普通の女の子”としての高校生活を望んでいた私はこの高校をえらんだ






………全然“普通”じゃあない不良校だけど。














「あ、今日さ、帰りにゲーセン行こうと思ってんだけど…
璃姫、一緒行こーよー?」





んー…今日の予定は、英会話のレッスンだけ。



だから、8時までに帰宅すれば大丈夫なはず





「大丈夫、行けるよ。迎えの車に連絡しておくね」







「おっ!珍しい!」




嬉しそうに笑う真琴。うん、珍しいよね、だって私、ゲーセンとやらに行ったことないもん。





「真琴、俺は?俺は!?誘ってくれるよn「蓮は連れてかない。」





手をぶんぶんと振り回してはしゃぐ蓮の言葉をキッパリと遮った真琴。





「な、なんでぇ!?」




「あんたは、見た目からして不良でしょ。そんなのが九条様と一緒に歩けるわけがございませんでしょ?」





あー…



なるほどね





確かに、蓮はチャラい。髪はピンクに染めて、緑のターバンをつけている


服もかなり腰パンで、だぼっとした服。





この学園だと、 違和感はないけど…




私と歩いていたら、めちゃくちゃ不自然だよね










でも、仔犬みたいに瞳をうるうるさせてる蓮を見ていたら、なんだか可哀想になってきて変な罪悪感を感じてきた







「わ、私は別に大丈夫よ?」






ぱあっと瞳を輝かせる蓮。う…可愛いな






「やったぁ!さすが璃姫!ありがとな!」






「はぁ…仕方ないね、璃姫さまに感謝しなよ?
ぢゃあ、放課後にゲーセン行きましょ」






「うん。“ゲーセン”ね。」







初めてのゲーセン。楽しみだなぁ…




今日のディナーは遅らせてもらおうっと