好きな人の前では可愛くいたいってそう思うのに、恥ずかしくていつも突っぱねるような言い方しかできない。


それは、伊吹への想いを捨てたはずの今も同じ。


「…はいはい。じゃあな」


呆れたように言いながらも、あたしの頭をぽんぽんと撫でてから教室を出て行った伊吹。


どうしよう、伊吹に触れられたところが、熱い…


「…んっ!!りんっ」

「…へ?」


「凛、顔赤いよ?大丈夫?」


「あ、うん、大丈夫」


口ではそう言ってても、顔の熱は一向に引いてくれない。