「…ごめん」


「いえ。あの、クッキー、食べないんですか?」


「え?…あぁ、うん。食べるよ」


額に脂汗を浮かべながら、クッキーの包みを開け、一つを口に入れる。


「…おいしい」


「…ホントですかっ!?」


「うん。甘すぎなくて、おいしい」


「…良かったぁ。先輩、甘いの好きか分からなかったから…」


そう言った直後に「あっ」と呟いて顔を真っ赤に染める凛ちゃん。


「…もしかして」


「はい」


「凛ちゃん、これ、最初からオレの為に…?」