「…そっか。うん、分かった」


凛ちゃんに嘘つくのはイヤだけど、一樹にその女、探してもらって忠告しねぇと。


これ以上、凛ちゃんにイヤな思いさせたくない…


「…あっ、そうだ!!」


「ん?どうかした?」


何か思い出したらしい凛ちゃんは、お弁当を入れていた小さなバックをごそごそし始めた。


「…あの、これ授業で作ったんですけど…」


そう言いながら差し出されたのは、クッキー。


「…オレに…?」


「はい。イヤじゃなければ、ですけど…」