「あのー!!」


自分でもびっくりなくらいの大声で呼ぶと、ようやく立ち止まった。


…ただし、大群ごと、だけど。


「何?」


「あ、えっとー…」

「?」


「これ、あなたの鍵ですよね?!」


突き刺さる視線から一刻も早く逃げ出したくて、ぶっきらぼうに言い放つと。


「…もしかして」


少し間を空けて、ハチミツ色の彼が口を開いた。


「はい?」


ハチミツ(以下、省略)の意味不明な発言に不思議に思いながら鍵を手渡すと。


「顔、よく見せて」

ークイっ


あたしが了承するより先に、ハチミツがあたしの顎に手を添え、上をむかせた。

「あのぉ…」