「うんっ!」



嬉しそうな返事と一緒に、あたしの前に手が差し出される。


その手を何も云わずにあたしのそれと繋げると、



そっと、握りかえしてくれた。




*****



ー帰り道。



「…凛ちゃん、オレ、嫉妬、したみたいなんだ」



さっきまでニコニコ笑っていた先輩は、何か、秘密を明かすかのように口を開いて、そう言った。



「嫉妬…ですか?」


「うん」



「あの、ちなみに誰に、ですか…?」