納得いかないような凛ちゃんの表情を見て、やっぱり覚えてはないんだなと、覚えてたのは自分だけかと、少し悲しくなる。それでも、無理やり笑顔を作って、

「その時、凛ちゃん言ってくれたんだよ。
『大事な物、落としちゃダメですよ』って」


「…あたし、先輩のこと知らない時からそんな生意気なこと言ってたんですね…」


「ううん。生意気なんかじゃないよ。ちょうどその時、バスケ辞めるかで悩んでたから」


高校でもバスケを続けていくかどうかー。


自分自身、あんまりバスケは上手じゃなくて。


それなのに、高校でもバスケやるのか？ってすごい悩んだ。