キス…までもっとゆっくり進んで欲しい。



それが言いたいだけなのに、先輩に嫌われたらどうしようって思うと、口にできない。



「凛ちゃん…っ!」


走り出したあたしを先輩がすかさず追いかけてくる。




女のあたしが先輩に勝てるわけもなく、すぐに捕まってしまった。



「凛ちゃん…」



「先輩にとっては、キスなんかなんてことないことなんですよね…」



「え?」



「きっと、今までの彼女さんといっぱいしてきたんだろうし…」