「幸せだよね....。
私がこうして旬といられるのは、この街で一緒に育ったから。
運命っていうもののすごさを感じる...」
倫と旬が小学5年生の時、倫がポツリと言った言葉に旬が答える。
「俺らは生まれてくる前から、出会う運命だったんだ。
こうして全部打ち明けられるヤツなんて倫しかいねぇよ。」
「そう言ってもらえると嬉しいな。」
倫は頬をほんのり朱く染めて照れている様子だった。
倫も旬もこうやって2人で話している時が一番好きだった。
誰にも邪魔されない2人の時間。
倫は旬が好きだった。
旬は倫が好きだった。
だけど、この時間がなくなってしまうことを恐れてお互い告白はしなかった。
2人共それでも良かった。
2人で話している時間がある限り。