顔をあげた海先輩はやっと
あたしの存在に気がついて
はっ!となったけど、
すぐにふつうの顔にもどって
なにごともなかったかのように
服をきはじめた

あたしが口を開く前に
女の子が口を開いた


「ねぇー人のエッチ覗いて
楽しいわけ?

嫌味ったらしく
そういってブラジャーをつける
女の子

ねぇー海先輩
なにかいってょ

「琉華、おまえはばかなの?
こんな状況をみてまだ俺になんか
期待してる?お前みてぇーな
ガキは最初から彼女にするつもり
なかったんだょ!一回っきりの
関係にしよぉって俺は思ってた
のに、聞けばお前処女っていうから
彼女にするとかなんとかいわねーと
やらせてくれねぇーだろ?いぃかげん
目覚めろょ!」


言葉がでなかった


海先輩に対する愛情がみるみるうちに
憎しみにかわっていく

心が真っ黒に染まっていく

この女に負けたような気がした

プライドの高いあたしは
負けることなんてゆるせない


一瞬にして自分の心のなかが
枯葉にかわっていったような
気がした

さっきまで感じていた悲しみが
嘘のように消え
怒りも消えていた