先輩の顔、真正面に見れなかった。


でも先輩は優しく笑って


『いいよ。よろしく』


っていってくれたの。その時はもう嬉しすぎて嬉しすぎて、足に力入らなくてその場に倒れちゃったらしい。


でも、その先輩は学校一のモテ男だったから、私が練習を見に行ってもたくさんの女の子が先輩を囲んで先輩の視界にはなかなか入れなかった。そんな日が毎日のように続いた。


でもね。中学一年の頃はけーたいも持ってなかったし、先輩とつながれるものが一つもなかったけど、私は先輩とならいつでも心がつながってるから大丈夫って想ってた。




なんでだろう。そういう自信はたっぷりあったし、疑う事なんて一つもなかった。
先輩の『いいよ』っていってくれたあの優しい笑顔が嘘の顔になんて見えなかった。



でも、いつものように先輩の練習を見に行こうとしたとき、先生に雑用頼まれてすっかり日が暮れちゃって先輩の部活の終わる時間まで雑用終わんなくて・・。


いそいでサッカー部が練習してるところにいったんだけど、もうみんなゾロゾロ帰るところだった。


今日なら先輩と二人きりで話せるかも!なんて心躍らせて私は、先輩を探した。


そしたら先輩は昇降口から出るところで、私は先輩に声かけようとした。。。。




「せんぱー・・・」




でもそこには学校1可愛いっていわれてる二年の先輩もいて、



「今日はどこいくー?」


「んー。この前いったあのお店」



なんて前から二人で帰ってたみたいな言い方して、二人は仲よさそうに笑ってた。




その時、先輩は私の存在に気づいたのは、驚いたような顔したけど、またさっきみたいな優しい表情で彼女を見て、彼女の手を握った。




その時私は心のどこかで期待してた。



『蘭・・・』


っていって彼女を突き飛ばして、私の元へ来てくれる事を・・・、