ひよりの言葉は、夢だと思う。

ていうか、そう思いたい。


◆◆◆


部屋に入ると、前にひよりに借りていたノートが机の上にあった。

そういえばこれ早く返さないとな。

すっかり忘れてた。

コンコン

ひよりの部屋の扉をノックする。

「入っていいか?」

そう聞くとひよりの返事が聞こえたので部屋に入る。

ひよりは雑誌を読んでいたようで。

まだ悩んでんのかよ。

俺はどこでもいいんだけどな。

まさか94点とってくるなんて思ってもなかった。

目標超えすぎだろ。

そんなことを思いながらひよりにノートを渡す。

すこし不思議そうな顔をしていたけど、何の事だかわかったようで、「あ。忘れてた。」
なんて言ってる。

忘れてたのかよ。

「そう言えば無いな、と思ってたんだよね」

なんて言ってる。

本人は言ってないつもりらしいが。

ひよりは何かと声に出てることが多い。

だから、今なに考えてるかとか全部わかるんだよな。