家に帰ってきてから少し、いや、かなり経った。

竜我まだかな?

連絡も入ってないし。

事故とかじゃないよね。

不安で頭がいっぱいになってると、玄関の扉が開く音がした。

あっ!

帰ってきた!

リビングの扉が開いて入ってきたのは、Yシャツに血をつけた竜我だった。

「どっ、どうしたの!?」

血の気が一気に引いていくのが分かった。

どこ、けがしたの!?

まさか本当に事故とか!!?

「あぁ。帰り道でケンカ売られたから」

「もしかして・・・。それ、人の血・・・?」

恐る恐る竜我に聞くと「あぁ。」と言った。

どうしてそんなに冷静なんですか、竜我さんよ。

「竜我、けがは!?」

わたしがそう言うと竜我はふっと笑って「ない」と言った。

「ほんとに!?痛いところとかない!?」

「ないよ」