それにしても、その男。許せねぇな。

こんなかわいい生き物に暴力なんて。考えられねぇな。


すると、ひよりはいきなりこんな事を言ってきた。

それも、俺の手を握りながら。

「でもね、竜我の手は安心するんだ。怖くないの」

ちょい待て。

これはやばいぞ。

俺の手をいじりながらひよりが笑顔で続ける。

「これは運命だね。もう」

へへっと照れたように笑うひより。

やばいぞやばい。


「あっ!」

ひよりが俺から手を離して立ち上がった。

「お腹減ったね。ご飯何が良い?」

冷蔵庫を覗きながら言うひより。


こいつ。かなり天然の小悪魔というやつだな。

たちが悪すぎる。