――竜我side――


「いやっ!!」

ひよりの言葉が頭の中でこだまする。


女子3人が出て行った後の屋上は驚くほど冷え切っていた。

「・・・俺、女の子に拒絶されたの初めてなんだけど」

春はすごくがっかりしている。というか、驚いている。

「本当。珍しいね。」

苦笑いで修馬が言う。


「おまえ、ちょっとの間ひよりに近づくなよ」

春を睨んで言うとあからさまにがっかりしたようにうな垂れた。



「じゃ、俺行くわ」


そういい残して屋上から出る。

ケータイを取り出してひよりから電話があったことに気付いて、慌てて電話をかける。


『もしもし』

ひよりの優しい声が俺の耳に届く。

「俺だけど。どうした?」

出来るだけ優しい声で言う。