「大丈夫だよ」

笑って言うわたしに玲ちゃんと遥は安心したように微笑んだ。


「まだ、思い出すんだ?」

玲ちゃんが“何を”とは言わずに聞いてくる。

「うん。やっぱり、まだ無理みたい」

笑おうとしても、ぎこちない笑いしか出てこない。そんなわたしを見かねてか、遥がわたしを見て、微笑んだ。

この笑顔で、いったいどれだけの男の人を虜にしてきたのだろうか・・・。

考えただけで怖い・・・。

「今日はさ、わたしの家に泊まりにきなよ」

遥が提案したとたん玲ちゃんのテンションは一気にアップしてしまったらしくて、

「それいいね!!うちも行くーー!ちょ、お菓子買おう、お菓子!!!」

玲ちゃんの言葉に遥はすっごく嫌な顔をした。

「やだよ。今日はひよりとわたしだけのお泊り会だからーー」

「むりーー!ぜったいうちも行くし!無理やりにでも行くし」


「やめてよーー!!美玲は絶対部屋散らかしていくじゃん」

そんな二人の言い合いを見てわたしは笑ってしまった。


「ふふっ」

「何が面白いのよ!わたしの部屋が緊急事態だっていうのに」

遥がわたしを睨みながら言う。

「おっ、ひよりはうちが行くの賛成なんだよねー」

玲ちゃんがわたしに近づいてきて言う。

「みんなで楽しもうね」

わたしが笑って言うと玲ちゃんはわたしを抱きしめた。

「うわぁ。ひよりマジ天使」

「じゃあ、あんたは悪魔ね。美玲」

悪魔の微笑で遥が言う。