「入るよ」

ちょ、ちょ、待ってよ。

わたしの顔を見て、鬼瀬君は立ち止まった。

すっごく驚いた顔をしてる。

「泣いてんの?」

「泣いてないっ」

嘘だってばれてる。

だって、涙が止まってないもん。

「泣いてんじゃん」

「泣いてないよっ」

そう言うと鬼瀬君はベットに座っていたわたしの横に座った。

「どうした?」

さっきは「ガキ」とか言ってきたくせに。

何でそんなに優しい声で言うのよ。

また泣いちゃうじゃない。

「・・・ばかっ。うぅ、うぇっ」