「じゃあね。気をつけて帰れよ」


「・・・ないでよ」


下を向いたまま遥ちゃんは何かを言った。

「え?」

「好きなんて言わないでよ!!」


は?

なんで?

「どうしてわたしの事好きなんて言ったの?」


なんで遥ちゃんは泣いてるの?

「なんでって・・・」


「理由がないのに好きって言ったんだ?他の女の子と同じように思ったの?」

遥ちゃんの言葉は止まるところを知らなかった。


「他の女の子と同じ扱いしないでよ・・・。もっと特別に扱ってよ!!」


思考回路が一瞬停止した。


それって好きって言ってるの?

俺には好きって聞こえるよ。

そう言って走り出そうとした遥ちゃんの腕を俺は掴んだ。


「離してっ!」


「離さない」

そう言うと遥ちゃんは一瞬でおとなしくなった。