わたしが聞くと鬼瀬君はテレビからわたしに視線を移してこう言ったんだ。

「だって、俺の周りのやつみんなあんたのこと好きだし。」

はぃ・・・?今度は何の冗談で・・・?これは、あれか。新手のいじめ?


「あはははは!!わたしがモテるなんて!鬼瀬君も冗談言うんだね」

わたしがそう言うと鬼瀬君は鋭い目つきでこう言った。

「冗談じゃねぇし。」

あ。さいですか。

冗談じゃないのね。

おほほ。冗談じゃ・・・。

「冗談じゃないぃぃぃ!!?」

「うるさい・・・。」

そんな言葉はお構いなしにわたしは鬼瀬君に迫った。

「わたしのどこにモテる要素があると!!?童顔だよ!?どーがん!!
鬼瀬君はすっごい綺麗な顔してるからわたしの悩みなんてわかんないんだよ。
だからそんな冗談言えるんだ」

自分がこんなに早口で話せるなんて知らなかった。っていうくらいわたしの口からは鬼瀬君の言葉を全否定する言葉がすらすらと出てきた。