涙目で言うと竜我はくしゃっと頭をかいた。


「行ってきた。あいつらのところ。もうひよりに近づくなって言ってきた。」


わたしは大丈夫なのに。

「大丈夫だよ。わたしは。竜我に嘘つかれたほうがやだ」

「大丈夫じゃないだろ?お前苦しそうに寝てたじゃねぇかよ。腹おさえながら」

えっ、わたしそんなことしてたの?


「そう言えば、ケータイなってたけど。」

えっ!?

ポケットからケータイを取り出して留守電を確認する。

玲ちゃんと遥から鬼のように電話がきていた。

次の画面を見ても玲ちゃんと遥。

心配、させちゃったかな?

ていうかさせちゃってるよね。


「浅見達からか?」

「うん。かなり電話がかかってきていますね。」

「心配してんだろ。教室戻らなくていいのか?」


もう少し竜我と一緒にいたい。

でも、竜我は嫌かな?

「竜我は?」

そう聞くと竜我はけだるそうな顔で答えた。

「あー・・・春たちが屋上こいって」

「そっか。じゃあ、わたし教室戻るね」

ベッドから立ち上がり保健室の扉の前に立つ。