それは、ある雨の日の夜の事だった。

私は学校からいつもと同じ道を通って、家に向かって歩いていた。

少し歩いてあると、いつも通っている、明るい道が工事中だった。

工事中なら仕方が無いと、私はあまり通りたくない、暗く人気がない道を通る事にした。

しばらく歩いていると、道の途中で数人のヤンキーがたむろっているた。

あまり関わりたくないので、私は少し早足で通り過ぎようとした。

けれど、私の願いも叶わず、ヤンキーの中の1人が私に話しかけてきた。

「ねぇ、きみ。今から暇?俺ら今から遊 ぶんだけど、一緒に遊ばない?」

そう言って、私の前に立ちはだかってきた。

「いえ、あの。わたしちょっとひまじゃ ないんで」

私がそう言ってとおりすぎようとしたが、無駄だった。

「そんな事言わずにさー、ね?」

ね?っていわれましても…あなた達みたいなのと関わるのがイヤなんですけど。

「いいです。遠慮しときます」

「そう言わずにさー?」

そう言って私の手をつかんできた。私がいくら断っても、ヤンキー達は見逃してくれなかった。

こんな暗く狭い道を通る人は、なかなかいなくて、誰かが助けてくれる様子もない。

「あの、やめてください!」

「一緒に遊んでくれるんだったらいいよ ?」

あぁ、もうダメだ。そう私が思いかけた時、どこからか声が聞こえた。

「おい、嫌がってんじゃんか。離してや れよ」

えっ?そう思い、声がした方を見ると、そこには私の手をつかんでいるヤンキー達を睨んでいるヤンキーがいた。

そのヤンキーは、顔がそこら辺のかっこいい芸能人よりもイケメンで、身長が高く、髪はとてもきれいな金髪。耳には黒く光るピアスがついていた。

顔はイケメンなのに、私の手をつかんでいるヤンキー達よりも、強そうな感じだった。

「あぁ?なんだと?」

イケメンなヤンキーに言われたのが嫌だったのか、私の手をつかんでいるヤンキーがキレはじめた。

「だから、その子の手、離してやれって いってんだろ」

「なんでそんなことお前に言われないと いけねえんだよ。カッコつけてんじ ゃねえぞっ!」

そう言うと、ヤンキー達がいっせいにイケメンヤンキーに殴りかかった。

強そうとはいえども、あんなにたくさんのヤンキー達相手じゃあ、きっと無理だよ。私は思わず目をつぶった。