「…暁?」

ふと、自分の名前を呼ばれて足を止めた。
声の方を振り返ると、見覚えのある女の子がこぼれそうな笑顔で駆けてきた。

「沙月!久しぶりだな!」

そう声を掛けると、沙月は笑顔で隣に並んだ。

「暁!制服着てるってことは、高校行くんだよね!?」
「まぁ、だるいけどしゃーねぇしな」

苦笑しながら答えると、沙月は嬉しそうに笑った。

「良かった…。暁高校行かないって先生と揉めてたし、卒業式の手前もしばらく学校来ないし、心配してたんだよ?」