朝、昨日と同じ電車に乗り込み、夏希と登校する。
昨日と少し違うのは、暁と友達になれた嬉しさではるかに元気だったこと。
そんなことを知る由もない夏希は、ただ私が元気なことを喜んでくれていた。

「本当に吹っ切れてるみたいで安心したよ…」

夏希の方が寂しそうな顔をしながら、そう言ってくれた。

「3年は長かったけど、悩んでも仕方ないしね?」

本当に彼のことが好きだった。
憎み切れない思い出は、今もやっぱり綺麗なままだから。
でも、終わってしまった恋よりも、今はもっと夢中なことがある。

期待せずにはいられない、新しい生活がやっと始まったんだから。