会話をしてみれば、暁は気さくで少し子供みたいな人だった。
初対面は怖い印象を持たれがちだとか、趣味は写真を撮ることだとか、
案外寂しがり屋なんだとか。
思いつく限りに質問し、たくさんの話をした。

電車を降りる頃には、お互いに名前で呼び合うようになっていた。


先に降りていく暁を見送ると、途端に胸が苦しくなる。

嬉しい気持ちや、自分の行動力に驚く気持ちや、いろんなものがない交ぜになっていた。
鼻の奥が痛くなって涙がわいてくるような感覚がした。
雫がこぼれてしまう前に、強く目をつぶった——。