4時間目終了のチャイムが鳴ると、みんなが一斉に動き出した。
購買に行く人、食堂に行く人、お弁当を広げる人。
女子生徒たちは、仲の良いグループで集まり、思い思いに食事を始める。

私と真知子、そしてすぐそばの席で仲良くなった中村舞はと言えば。
3人で顔を突き合わせながら、会議の真っ最中。

「ね、どうしよう?」

真知子が私と舞の顔を交互に見ながら聞いてくる。

「でも、睨まれたり無視されたらショックじゃない?」

戸惑ったように答える舞に、真知子も「う~ん」と唸る。

二人の会話を聞きながら、私は彼女を見ている。
私たちの議題は、まさに朝と変わらない姿勢で座る彼女の事。
「一緒にお弁当食べよう」の一言が言えなくて、同じ会話をループし続けている。