その日以来、喧嘩はしなくなったし、些細なことではキレたりしなくなった。
そんな自分にも心から好きで、唯一没頭できるものがあった。

きっかけは、小学生の頃に見た一枚の写真だった。
季節はジメジメと雨の降り続ける梅雨の頃。
そこには紫陽花に囲まれて、幸せそうに微笑む母さんがいた。

自分が生まれて間もなく、事故で亡くなった父が撮った写真だと聞かされた。