夢埜はと言えば、赤く染まった顔を必死に隠すように俯いている。

「ゆめ…?」

奈々が戸惑ったように名前を呼ぶと、弾かれた様に顔を上げて話し出した。

「だ、だってさぁ!暁って話し方も男の子みたいだし、見た目もかっこいいし、なんか照れるんだもん!」

勢いよくそう言うといたたまれなくなったのか、また俯いてしまった。
そんな空気を壊すかのように、奈々が笑った。

「いやいや、ゆめの気持ちは分かるけどねー!」
「えっ、分かんのかよ!」

自分も笑って突っ込みを入れると、夢埜が安心したように笑った。
何事もなかったように3人で笑い合いながら、一人昔の記憶が頭をよぎる。