「夢埜、起きなさいよ」 今日もお母さんの声で目が覚めた。 いくつになっても朝は弱い。 眠たさと気怠さが頭を支配するけれど、今日ばかりはそんな事言っていられない。 部屋の壁に、皺がつかないように吊るされた制服。 赤いストライプのネクタイが気に入っている。 今日から、私は高校生になる。 楽しみと不安が交差して、胸の中にゆっくりマーブル模様を作る。