「少しは機嫌直してくれた?」

「うん…」

「どうして怒ってたか話してくれる?」

「それは…」

どうしよう。ヤキモチ妬いてたなんて、格好悪くて言いたくないような。

でもあたしの気持ちを知ってもらいたい。


「話してごらん。もえ」

「……」

「オレが何をした? 穏やかなもえが怒るってことは、よっぽどなことなんだろうな」

「そんなことじゃないよ。あたしの器の問題なの」

「器?」

貴広が首を傾げた。

「うん。あのね──」

結局、あたしは貴広に本当のことを打ち明けた。

かおりちゃんにずっと嫉妬していること。

今日、食堂で隣に座って食べているのを目撃して、更なる嫉妬をしたこと。

そして、何事もなかったかのように貴広が現れて腹が立ってしまったこと。