でも大野さんの口内に舌を絡めた瞬間、大野さんの唇は離れた。


「もえは雰囲気に流されれば、誰とでもキスするんだな」

「違います! 誤解しないで下さい!」


そんなふうに思われたなんて、ショックだよ。


「じゃあ、何でオレとキスした?」

「大野さんだからです。本当に嫌ならしませんから!」

「その言葉、信じてもいい? 次、オレが告白したらいい返事くれる?」

「──告白してみて下さい」


って言うのも変だけど、言葉がうまく見つからない。

あたしの心臓は高鳴っていた。


「もえ、オレとつき合ってくれる?」

「はい。あたしで良ければ、よろしくお願いします」

「ちゃんとあの男と縁切ってくれる? 出来れば早いうちに」

「はい。約束します」


竜くんと終わらせること。それは当然のことだ。

あたしは大野さんを選んだんだから。