そして、大野さんがスーパーの袋を手に持って現れた。
「水谷、ケーキ食べよう」
「ケーキ?」
「そう。1人なら食べなくてもいいかなって思ってたんだけど、せっかくだし一緒に食べようと思って」
「……」
「もしかして、焼き肉の後にケーキとかありえないって感じ?」
「いいえ。そんなんじゃありません……」
「また泣いてる」
大野さんの言う通り、あたしは泣き出していた。
一緒にケーキを食べよう。
誘ってくれる人がいるんだと思うと、何だか嬉しくなった。
本当なら、今日は最悪な日になるハズだった。
でも大野さんの優しさのおかげで救われたんだ。