「もしかして、竜くん問題?」

「当たり」

「でもどうやって解決させるの? 直接会いに行くとか?」

「それしかないだろ? もえ、あいつの家って分かる? 覚えてる?」

「うん。ここから近いよ」

竜くんも一人暮らしをしていたハズ。

あたしが遊びに行ったのは数回だけ。

彼女が出入りしている形跡があって、現実を見せつけられて嫌気と罪悪感があって部屋には行かなくなったんだ。

「何か複雑」

「複雑?」

「もえがあの男の家を覚えてるってことが、複雑なんだよ。でもそのおかげで今から行けるんだけどさ」

「別に未練があって覚えてるとかじゃないからね」

「ははは。誰もそんなこと言ってないだろ?」

「あっ…。そうだね」

余計な一言だったかな?