「神戸は酔っぱらって帰れそうになかったんだよ。車で来たクセに普通にビール飲んじゃってさ。飲酒運転させるわけにもいかないだろ?」

「それでここに泊めたの?」

「そいうこと」

「でも、他の女子と一緒に帰るとか方法もあったんじゃないの?」

「神戸がベロベロだったからオレが泊めさせることにしたんだよ」

貴広の言葉に胸がチクリと痛んだ。

だって、てっきり、かおりちゃんが無理矢理、貴広の家に泊めさせてもらったと思ってたから。

「キスは何でしちゃったわけ?」

「ソファーで寝てる神戸に毛布をかけようとした時、急に首に腕を絡められてそれで…」

「ソファーってこのソファーだよね?」

「あぁ」

あたしは勢いよく立ち上がった。